理事長挨拶

日本在宅ケア学会は,平成8年の設立以来19年を迎え,保健・医療・福祉・介護・教育・行政など在宅ケアに関連する研究者,および実践者で構成する会員1109名を擁する学会に発展を遂げてまいりました.

この度,理事長に再任いたしました.前期には新たに生涯教育委員会と実践・研究助成委員会を立ち上げ,会員サービスに注力してきました.また学会の将来構想を考えるためのあり方検討会を立ち上げ,その答申を受けて今期中に法人化をめざすことを最優先に考えております.皆様からのご支援を引き続きよろしくお願いいたします.

 

急速に少子超高齢社会となったわが国において,施設収容型のケアから,住み慣れた家庭・地域で最期まで暮らし続けることのできる在宅ケアへの転換がはかられ,国民の権利意識の高まりや暮らし方の多様化など,在宅ケアをとりまく背景も急速に変化し,これらの解決のためには,利用者・家族を中心に据えた,学際的チームによる継続的・重層的でシームレス(切れ目のない)なアプローチがますます求められるところです.

 

日本在宅ケア学会は,地域や在宅で生活することを望み,医療や看護,介護,リハビリテーション,教育,就労などへのニーズをもつあらゆる世代の人々に対し,保健・医療・福祉・介護・教育・行政等の専門職がチームとなって,1人ひとりのニーズに合った地域・在宅での生活や療養環境を整え,安心・安全に生活を送ることができるためのケアとそのシステム作りに貢献します.

 

そのために,在宅ケア学を確立し,エビデンスを作り,またエビデンスを蓄積し,エビデンスを広く活用していくというアカデミックな活動の場となること,また,在宅ケアの実践活動そのものの発展のために,実践現場で働く専門職の方々の研究発表や実践報告,ネットワーク作りの場となることを強く願っております.

 

今期の理事会では,年2回の学会誌の刊行,年1回の学術集会の開催,ニュースレターの刊行,公開講座の開催,在宅ケアに関する政策提言,生涯教育,実践・研究助成を軸に,諸事業をさらに充実させ,会員各位の要請に応えていく所存です.会員の皆さまには忌憚のないご意見をお寄せいただくとともに,まだ入会されていない在宅ケアに関心をお持ちの研究者・実践者の方々に,広く学会へのご入会をお誘いいただき,多くの方々と活発な学会活動を進めていきたいと考えております.

平成27年4月

日本在宅ケア学会理事長

亀井 智子

 

 

日本在宅ケア学会 法人化にあたってのご挨拶

平素は日本在宅ケア学会への格別のご芳情,また学会活動へのご理解を賜り,厚くお礼申し上げます.

 

さて,平成8年に設立された任意団体日本在宅ケア学会は,これまで20年間に渡り会員のみなさまとともに,在宅ケアに関する学術活動を進めて参りました.

 

平成27年度総会において,法人化の決議がなされ,その後,定款などの整備を進めて参りました.

 

このたび,諸準備が整い,平成28年5月10日をもって法人化し,一般社団法人日本在宅ケア学会として新たなスタートをする運びとなりました.

 

一般社団法人日本在宅ケア学会は,在宅ケアの学術的発展と教育・普及を図り,人々の健康と福祉に貢献することを目的とし,学術集会の開催,機関誌等の発行,調査・研究活動の推進,会員相互の学術交流の促進,研究論文等の表彰,国内外の関係学術団体と研究協力・連携などの事業を推進していきたいと考えております.

 

会員のみなさまには今後とも変わらぬご支援を賜りますとともに,一般社団法人日本在宅ケア学会が,在宅ケアの発展のため,学術集会や機関誌の発行,その他の活動を通じた質の高い学術的交流の場となるよう,理事,評議員一同,会員のみなさまと力を合わせ,邁進する所存でございます.

 

なお移行後も,年会費,会員資格等に変更はございません.

 

今後ともなお一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます.

 

平成28年5月10日

一般社団法人日本在宅ケア学会理事長

亀 井 智 子